和装ウェディングは、色使いがとても鮮やかで独特で、さらに普段のファッションとは大きく異なることもあり、髪型や髪飾りのイメージが付かない、という方も多いようです。 和装にもいくつかあり、それぞれに良さがあります。また、挙式のためのものなのか、披露宴のためのものなのか、招待されて参加するのか、自分が主催するのか、あるいは前撮りなのか・・・といった、シーンの違いでも適した髪型は変わってきます。和装での結婚式用の髪型についてまとめましたので、ご参考にして頂ければと思います。

和装のスタイルによって、髪型も変わる

和装にも大きく三種類があります。「白無垢」「色打掛」「引き振袖」です。このどれを着るのか、によって髪型の選択肢も変わってきます。

和装の3スタイルに合う髪型

「白無垢」の場合には、文金高島田（ぶんきんたかしまだ）、綿帽子（わたぼうし）、角隠し（つのかくし）が代表的な髪型になります。文金高島田は白無垢の際の最も代表的な髪型で、鬢付け油を髪に付けてしっかりと結います。これが本来のセットアップの仕方なのですが、近年では結婚式のお色直しで髪型を変えるケースも増えて来たため、かつらで済ますということも多くなってきています。綿帽子は、文金高島田の髪型を覆うように被る白い布でできたかぶり物です。かなり大きく、新郎以外には顔を見られないように、という意図が込められています。角隠しは、文金高島田の髪型の上にかぶる帯状の布です。角隠しについては、白無垢以外にも色打掛、振袖にも合わせることができます。 「色打掛」もしくは「引き振袖」の場合には、実の所白無垢ほどにはコレ！という定まった髪型は存在しません。また呼び方も様々です。 洋装のドレスにも合いそうな髪型（洋髪）で色打掛や引き振袖を着るというのは現代の流行りのスタイルですし、日本髪を伝統的なスタイルからより結いやすくした新日本髪というものもあります。

和装ヘアの小物

洋風綿帽子

ウェディングドレス用のベールを素材にした綿帽子です。ベールの上に花柄の飾りなどが多数取り付けられるなど、和風の雰囲気を出しつつ、とても軽やかなのですがお洒落な雰囲気にまとまります。「洋風」と銘打っていますが綿帽子なので、白無垢にも合わせることができます。

リボンやちりめん

和風の花柄の刺繍の入ったリボン・ちりめんといった、元々洋装向けのものを和装用にアレンジしたものがあります。アレンジとはいうもののかなり日本にも定着した装飾であるため、和装のお店でも取り扱われていることが多いです。とても若々しく可愛らしい雰囲気が出せます。

生花

本物のお花をあしらった髪飾りです。色打掛や引き振袖の場合には、その布地に使われている色の中から印象的なものを選んで、それと同色のものを使うと綺麗にまとまると言われています。鮮度が命なので、前日などに自分で作る場合には、霧吹きをしてラップで包む、冷暗所に置くなどの処置が必要です。

かんざし・こうがい

和装によく合う髪飾りで、時代劇の町娘が付けているといった形で皆さんにも最も馴染みのあるものと思われます。名前の通り、結った髪の毛に挿すようなスタイルで装着されます。シンプルなものから、髪に装着した状態で部分的に揺れの動きのあるものまで、バリエーションに富んでいます。

和装ヘアスタイルの決まり事は？

上述の通り、和装スタイルとは言っても白無垢以外の場合にはそれほど固まった仕様というのが無いのが和装のヘアスタイルです。ただ、ここに留意しておくと着物本来の美しさを損なわずに済む、というところはあるので、いくつかご紹介しておきます。

着物の柄を覆ってしまわないように、髪はアップに

着物を購入されるという方は少なく、レンタルでの調達が多いと思われるのと、結婚式のような格式の高いところで着られる着物ほどクリーニングしたり、ということが難しくなるため、スタイリング剤や油を多用する婚礼用の髪型の場合には、布地に触れないようにアップにしておくのが望ましいです。また、着物は綺麗な刺繍が入っていることがほとんどであるため、これを髪で隠してしまわないという目的もあります。

顔の周りをシンプルに

和装の場合、衿が重なっていたりと首の周りが色々と「詰まった」、密度の高い印象を出しがちになります。このため、顔の周りの髪はシンプルにまとめたほうが、全体としてスリムな印象を出す事ができます。

着物の柄に負けない髪型を

白無垢は控えめですが、色打掛の場合にはその名前の通りかなり「派手」であり迫力があります。ヘアスタイルにボリュームを持たせるのと、髪飾りも使って首より上の部分の印象が着物に比べて貧相にならないように工夫する必要があります。

和装の髪型まとめ

和装の場合、伝統があるがゆえに髪型にも種々の決まり事が、と思いがちですが、白無垢以外についてはほとんど決まり事のようなものはありません。しかし、和装の物理的な特性から、ある程度まとめ方の方向性として経験則があるため、これには則しておいた方が、奇妙奇抜な印象を与えたりということは避けられそうです。とはいえ一生に1度の結婚式で、自分らしさを限界まで追求するのも一興。この記事の内容を1つの参考にして頂ければと思います。